真面目女のエブリデイ日記

繊細で完璧主義の、甘くて苦いエッセンス…

本:悪魔が来たりて笛を吹く

私の大好きな横溝正史の本である

金田一耕助シリーズでいえば有名なものは

 

八つ墓村

犬神家の一族

門島

悪魔の手毬唄

 

そしてこの

悪魔が来たりて笛を吹く

 

ではないだろうか

 

昭和22年を舞台に、

華族の愛憎入り乱れつつ殺人事件

まあいつもの横溝正史っぽい話だ

 

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この話、途中で金田一耕助

明石や須磨、淡路島に行く

というかこのシリーズは

兵庫や岡山、瀬戸内付近が

よく舞台になっている

なのでちょっと関西人としては嬉しい

 

さてそんな話を置いといて

ここからネタバレ全開でいこう

 

まず三島東太郎の正体

これは分からなかった

中盤から新宮利彦とあきこ(漢字が出てこない)

がデキてるのは目賀博士の感じでわかった

なるほどねと思う

 

東太郎は父母に加えて玉虫伯爵を

忌み嫌って今回の犯行に及ぶわけだが

自分も小夜子を愛した時点で

彼女の言う通り畜生道に入ったわけだ

だから全然清廉潔白ではない

そこが新宮家(兄妹という意味で)

そのものの呪い(ここではこう呼ぶ)だと思った

 

椿英輔からすれば

新宮一家全部が悪魔みたいなものだ

 

ちなみに兄妹どちらが

よりおかしいんだろうか

どっちもどっちという結論だが、

よりおかしいのは兄なのか

私的には妹だと思うけどね

 

映像化されたものも見たが、

クライマックスであきこ夫人が

東太郎の正体を知りガーン!となってたが

ガーンとなるなら東太郎は産まないと思う

さらに別の映像では、

東太郎は自分の出生を知らない

じゃあなんで殺すんだよ、

辻褄の合わないのは嫌いである

 

で、ここからが

私個人が気になることだが

東太郎が亡くなったからといって

新宮家を纏う呪いは終わるのか?

 

椿英輔は美禰子にこの家の誰とも

結婚してはならないと説いた

その相手は一彦ではなく東太郎のことを

指しているのだろうが、

美禰子と一彦は当初から行動を共にしている

一彦には利彦の血が

美禰子にはあきこの血が流れている以上

華子、美禰子、一彦の3人で

暮らしたからこれで因縁が終わるかと

いうと絶対ではないだろう

美禰子と一彦はお互い嫌いではなくとも

離れた方が互いのためだと思う

 

どこかのタイミングで

美禰子が椿家に住み続け、

華子と一彦とは離れた方が

いいんじゃないかななんて思った

 

東太郎の美禰子への思いも

現代に生きる私からすれば

まあまあ濃密な想いだなと思う

祖父と父母を憎むのに妹2人に

異常な肩入れをすれば、

やっぱりそれは嫌いな父親と似ている事になる

 

ということで後半は

多分に妄想を含んだ感想であった

 

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